東芝・過労うつ病労災・解雇裁判
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裁判

平成16年(ワ)第24332号解雇無効確認等請求事件

第9回弁論準備(非公開) 2006年5月17日 15:00〜

 出席者  原告側 川人弁護士 山下弁護士  重光由美  (傍聴人2名)
        被告側  指定代理人1名  深谷工場総務部長  総務課長
 場所 東京地裁民事11部

■全体
熊谷労働基準監督署より、裁判期日の一週間前にやっと、労災不支給の調査資料の提出がありました。今回は原告側から、労基署提出書類のうち、裁判に必要となる書類を裁判所に提出ました。次回は、被告側から労基署提出書類中、必要な書類の提出が行われます。
おそらく次々回から証人尋問(公開裁判)に入ると思われます。

■書面提出
 ○原告側より4月14日「求釈明書」提出
 当時原告が所属していた部署や従事していたPJの人員と、そのうちの自殺者及び精神疾患患者数を被告側に提出するよう要求
 ○被告側より5月17日回答書提出
 回答書では所属部署やPJの人数のみ記載、自殺者や精神疾患患者数の記載は一切無し
 
●労働基準監督署からの書類について
 ○原告側より、労働基準監督署から提出された書類のうち甲67号証〜甲125号証を裁判所に提出
 ○原告側より、5月16日「文書提出命令書」提出
労基署提出書類中、被告側より提出を控えた資料等を「文書提出命令書」で、会社に提出するよう依頼

■弁論準備
15分程度で終了しました。

原告側−労働基準監督署からの書類の中に労基署が不支給の根拠とした「精神部会の意見書」がありません。これが無ければ、なぜ労災不支給になったのか今後反論が出来ません
裁判官−では書面で正式に提出を依頼してください。

被告側−原告から提出された「求釈明書」については、今回提出した「回答書」以外は出しません。
裁判官−次回弁論準備は6月29日11:30〜とします。閉廷。


□原告感想
 やっと、労働基準監督署から労災審査の書類が提出されましたが、先週やっと、熊谷労働基準監督署から資料が届いたそうで、裁判所で直接その資料を弁護士から受け取りました。
そのあまりの量の多さにボーゼン
しかし、「精神部会の意見書」がありませんでした。弁護士曰く、「精神部会の意見書は一番大事なものだ。その提出を偶然忘れるとはとても思えん。 故意に提出しなかったとしか考えられない位の事だ」 だそうです。
 天下りしたがっている労働局関係のお役所と大企業の癒着か?と、思わせる出来事でした。
 また、会社が提出した資料の中には、明らかに数字が合ってないものもあり、これは「労災隠し」ではないのか?労基署は「労災隠し」として会社をなぜ指導しないのか?と思ってしまいました。

労働基準監督署から出て来た書類のうち、会社の資料は、いかに私の業務が軽いものだったかを主張したいと思われる資料が作成されていました。
上司の供述書は、予想通り嘘ばかり書いてありました。
同僚の供述書は、期待と違っていました・・・・。特徴的だったのは、「私の性格について」の質問に対する回答です。当時の「上司・部下・一緒に仕事をしていない同僚」の3人が3人とも「私の性格」を一語一句違わずというくらい同じ表現をしていました。人の性格には多面性があり、通常人によって感じ方は変わるはずで、仮に同じに感じたとしても、表現は変わるのが通常だと思います。それが、「上司・部下・仕事をしていない同僚」と、立場の違う3人の人間が、「私の性格」について全く同じ表現をした、というのは、非常に奇妙です。口裏を合わせた、としか私には思えません。つまり、労基署からの聞き取りに対し、会社から同僚に圧力がかかった、としか思えません。
ちなみに、私の弁護士が提出してくれた「元同僚」の供述書には、私の性格については全く異なる表現がされていました。
通常、大企業の場合、同僚に圧力をかけることはほとんどしないそうですが、東芝の場合、通常大企業がしない「嫌がらせ」をしてきたわけですから、供述する同僚に圧力をかけたことは十分考えられます

部署の所属人数と自殺者・精神疾患者の数については、会社は部署の所属人数のみ書いた回答書を提出してきました。さすがに、同じ部に所属していた人間が半年間に2名自殺し、1名うつ病で休職した、とは書けないですよね・・・・・

今後も、東芝は、会社に不利な証拠隠し・偽造資料の提出・証言での同僚の口裏あわせなど考えられ、徹底的に抵抗してきそうで、裁判は非常に難航が予想されます。

本当に、東芝は何をするかわからない。従業員は、何をしても良い対象なのでしょうか。改めて東芝の、企業としての姿勢が問われるのではないかと思います。
 私は東芝に第一希望で入社したのであり、「東芝の技術者」であることは、私にとっては一応誇りであったのですが。東芝はこれ以上、私を失望させないで欲しいです。今後の東芝の誠意ある対応に期待したいものです。

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