東芝・過労うつ病労災・解雇裁判
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裁判

平成16年(ワ)第24332号解雇無効確認等請求事件

第13弁論準備(非公開) 2006年11月6日 14:30〜

 出席者  原告側 川人弁護士 山下弁護士  重光由美  (傍聴人5名)
        被告側  指定代理人1名  深谷工場総務部長  総務課長
 場所 東京地裁民事11部

■全体
  被告が労働基準監督署に提出した原告「週報」、見本を原告が提出したところ、被告側が、実際の週報を提示し、その週報は「実物と違う」と主張、さらに、「週報」は社外秘だから裁判所に提出しないと繰り返し主張。次回裁判官が「週報」を提出させるか判定する事になりました。

■書面提出
○被告側より 10月14日 乙11号証 前回提出した労使協定の残りを提出
これで5か月前に原告より請求した、5年前の就業規則・労使協定全てをやっと提出

○原告側より 文書提出命令申立に関する補充意見(2)を提出
 被告が社外秘としてガンとして裁判所に提出しない労働基準監督署に提出した「週報」の見本を原告が当時を思い出しながら作成して添付、「週報」を提出を要望

■弁論準備
15分程度で終了しました。
労働基準監督署に提出した「週報」について
被告側「週報は社外秘なので裁判所には提出しません。また、今回原告が提出した週報は実物ではない、実物はこれです」と、実物の「週報」を提示

原告弁護士「閲覧禁止として裁判所に提出すれば、見る事ができるのは、原告側弁護士と裁判官と、この週報を書いた原告だけだ。そうすれば情報漏えいにならない

東芝側「いえ、どう情報が漏れるかわかりません。社外秘の資料ですから裁判所への提出できません。」

原告弁護士「この「週報」はすでに東芝側から「労働基準監督署」に提出された資料だ。労働基準監督署職員には情報漏えいしている事になるが。

東芝側「労働基準監督署の職員は信用しています。」

原告弁護士「労災申請は今、審査請求中だが、今後、労働基準監督署相手に労災認定を求める行政裁判を起こした場合、この「週報」は無条件で公開される資料だ。それを承知で東芝側はこの資料を労働基準監督署に提出したのではないか。提出して問題は無いはずだ。」

東芝側「不支給を前提に提出したわけではありません。」

原告側「これは5年前の資料で、技術は進歩していて、機密性は低いはずだ」

東芝側「今もって機密性は高い資料です。」

原告側「行政裁判することになったら強制提出になるが、いいのか」

東芝側「そのときは、社会状況が変わっていますから、社外秘扱いが変わって、公開可能になると思います。」

原告側「行政裁判は行うとして来年だ。5年前の資料と6年前の資料とで社外秘扱いの状況が変わるのか」

東芝側「はい、社外秘の状況は、5年と6年で充分変わります。」

原告側「・・・・・・」

裁判官 次回裁判までに、「週報」を提出させるか判定を出します。
次回裁判は12月11日13:30〜とします。


□原告感想
前回の第12回弁論準備で、あいかわらず会社側が社外秘であるとしてて提出を拒み続けている当時の私の「週報」、
具合を悪くさせながら、何とか当時を思い出して「週報の見本」を書き上げ、裁判官が提出するかどうかを判断してもらうため裁判所に提出しました。

が…なんと、会社側が、それは実物と違う、本物はこれだ!と、当日本物の週報を裁判官に提出してきました。

はぁ…?最初からそうすればよかったんじゃないの?私のこの1か月の苦労は?この体調の悪化は?私に見本を書かせておいて、提出??
まるで嫌がらせのような会社のこの対応…開始早々非常に疲れました…

そして、裁判所へ「週報」を証拠として提出する事については、「社外秘の情報が漏れる」から証拠として正式に提出はしない、の一点張りでした。 
裁判自体は15分程度で終わったのですが、その内容がひどい。
司法の場で、こんな会社の横暴が通っていいのか、非常にあきれる内容でした。

(内容は上記弁論準備内容をご覧ください)

すでに労働基準監督署に提出し、多くの労基署関係の職員が見ている資料を、裁判官・原告弁護士のみが閲覧可能として裁判所に提出する事が情報漏えいとなる、という東芝の主張は明らかにおかしいと誰もが思うと思います。
あとは、裁判官が、提出させるかどうかを次回の第14回弁論準備までに判定する事になり、裁判は終了しました。

裁判官が判定で「提出させる」とした場合、東芝側は「高等裁判所へ不服申し立て」ができ、そこで裁判官が提出させた事について、東芝側は争うことができるそうです。

しかし、ここまでガンと社外秘であると主張する以上、裁判官が「提出させる」と判決を出すと、東芝側は、高等裁判所に不服申し立てをする可能性は大きいでしょう。病気を患っている私と違って、会社には弁護士に払うお金も、協力する社員もたくさんいます。
そうすると裁判が長引く事になります

「経営者が社外秘を理由として資料を提出しないことが司法の場でまかり通る事は、弱い立場の労働者のためにも、あってはなら無い事で、本来は徹底的に争うべき事だ。
が、今回の裁判に限っては、資料提出をあきらめて先に進んだほうが良いのでは。」と私の弁護士が裁判後の打ち合わせで発言。

私もそう思いました…

すでに私側から別の業務資料は提出してあります。
もっとも、その時には、東芝側から「社外秘に当たる資料を社外に持ち出すとは就業規則違反、懲戒解雇処分である」と何度も言われましたが。
(裁判ホームページ第6回弁論準備より)

5年前の就業規則・労使協定も、5ヶ月かけてやっと全て提出されました。見つからないとは、どんな管理をしているのでしょうか?全く信じられません。

しかし…東芝は、対社員の裁判では、こうまでして徹底的に妨害工作をしてくるのでしょうか…

解雇時嫌がらせしてきた時も東芝の対応にびっくりしましたが、裁判という公の場でまでも、こうまでしつこく抵抗してくるとは、本当に信じられない!
もうこれは、嫌がらせ、としか思えない

改めて、東芝が、社員にここまで冷たい会社だとは思わなかった

この先もどうなるか、思いやられる…

そう思いながら裁判の帰途に着きました。

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