東芝・過労うつ病労災・解雇裁判
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行政訴訟(労災不支給取消し訴訟)

平成19年(行ウ)第456号 療養保障給付不支給処分取消等請求事件

初公判 2007年10月15日(月) 13:10〜

出席者  原告側 重光由美 川人弁護士、山下弁護士 原弁護士
       被告側(国)代理人3名 
       傍聴人15人
場所   東京高裁722号法廷



裁判所前で原告

■書面提出 
○被告 10月4日答弁書及び、乙1号証〜4号証提出提出
            東芝との民事訴訟の提出を申立書で要求
      10月15日(裁判日当日)乙5号証〜60号証提出 
○原告 意見陳述書を提出    

被告は10月5日に答弁書(訴状への反論)と精神疾患の労災認定に関する一般的な資料乙1〜4号証を提出。答弁書は全31ページ中最初の2ページだけが訴状への反論で、残りは精神疾患の労災についての一般的な説明文でした
その後、裁判当日に被告は原告の労災審査の資料乙5〜60号証を提出
また、被告は東芝との民事裁判の資料の提示を求め、原告側はそれに応じました。

■全体
国が相手の裁判(行政訴訟)は裁判官が3名の合議制です。

最初に資料の確認がありました。国は、当日になって、私の労災調査資料を提出してきました。資料は、5cmくらいの厚さの量ありました。
その後、原告が意見陳述書を読み、続いて原告代理人原弁護士が意見陳述書を読みました。
そして、今後の進め方について協議があり、被告側の書面の提出の予定により、次回は12月11日弁論準備(非公開)と決まり、裁判は20分もかからず閉廷しました。


□原告感想
提訴(7月19日)の時に、裁判を迅速に進める目的で、初公判である10月15日までに、私の労災不支給の記録を提出・開示するよう国に求めました。

その資料が弁護士事務所から届いたのは裁判の2日後。
それは、せっかく裁判疲れが取れかかっていた体を悪化させる内容でした。
読んで2日間は睡眠も無茶苦茶になりました。
届いた書類は、熊谷労働基準監督署が作成した、私の労災調査資料で、その厚さ約5cm。

多くはすでに開示されていたものでしたが、問題は・・・

同僚からの「通信調査回答書」で、労働基準監督署に提出はしたが、本人が裁判所への提出を拒んだもの、9人分。
それが今回、裁判所に提出されました。

すでに裁判所に提出されている、同僚の調書3人分から、会社が同僚に圧力を掛けて調書を書かせたことは分かっていたし、それを承知で心構えを持って読んだのですが、やはり、読んでもうぐったり、9人分は応えました・・・はぁ・・・

労災になれている弁護士が言うには、通常、大企業が調書の作成時に同僚に圧力を掛けることは無いのだとか
それを10人以上の同僚に圧力を書ける東芝とは・・・

会社はこの10人以上の同僚に何を言ったのか
同僚は何を考えてこの調査回答書を書いたのか・・・
一緒に働いていた同僚が2名自殺しているのに
自分達も同じ目に逢うかもとは思えなかったのか・・・
それでも、裁判所への提出を9人が拒否したということは、この9人の同僚達に自責の念のようなものが働いたのでしょうか・・・


事実は分からない訳だから、考えてもしかたないか・・・

それから、出てきた書類はもう一通
・調査結果復命書
こちらも疑問だらけの書面でした。
これは、労働基準監督署が労災調査の内容を書いたもので、裁判で言えば判決文に当たるもの。労災不支給後すぐに開示を求めましたが、肝心な部分のほとんどが真っ黒に塗られて、約1年後の2007年2月頃に提出されてきました。

労災認定の結果から、発症時期さえも、ほとんどの部分が真っ黒で、これを見ただけでは労災不支給の理由がなんなのか、全くわからないような書面でした。



(黒塗り書類の一部。本当に真っ黒)

それが、今回提出された書類では、黒塗り部分がなくなっていました。
お役所の資料が、普通に開示を求めると黒塗りで、裁判では黒塗りがなくなる?
どういう仕組みなんだか??すごくおかしな話ですよね・・

しかも、今回提出された黒塗りの書面は、全部が提出されませんでした。
サービス残業を認めているであろう書類など。
真っ黒に塗られた書面の一部がすでに黒塗り無しで提出されているのだから、全ての書類も当然黒塗り無しで提出されないとおかしい。
裁判だから、不利な書類は提出しないのか?とも思えますが
いやいや、これはお役所が公平に審査された結果労災不支給となったことに対する不服を申し立てている裁判なのだから、国は公平に判定したその書類を堂々と提出できるはず。
提出してこないこと自体がおかしい

もっとも、労災不支給判定内容そのものが明らかにおかしいのは自明なのですが

なんだ、裁判でも最初っから不公平か・・・
東芝との裁判では、就業規則を5ヶ月かけて提出してきたりという引き伸ばし工作を受けましたが、行政訴訟も、すんなり、というわけにはいかなそうです・・・

さすがに、東芝のような嫌がらせ、や威嚇はないとは思っていますが
とにかく書類を読んで疲れました。
書類が出てくるたびまた体調が悪化する裁判生活が始まりそうです。


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