東芝・過労うつ病労災・解雇裁判
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行政訴訟(労災不支給取消し訴訟)

平成19年(行ウ)第456号 療養保障給付不支給処分取消等請求事件

原告 意見陳述書

   

               意見陳述書


 私は、東芝での異常な長時間労働、そして次々指示される新業務などのために、精神的に追い詰められ、休業を余儀なくされました。

 2001年9月から休職にはいりましたが、会社に復帰できる状況に至らず、2004年9月に労働基準監督署に労災申請、埼玉労働局に審査請求をしましたが、いずれも棄却されました。不支給の理由は、睡眠時間6〜7時間が確保されているから、心身の疲労を増加させ、精神障害を形成するほどの長時間労働ではなかった、という理由でした。確かに私は、厳しいノルマ、トラブル対策に追われなから、業務はまだまだ続くのだから、倒れないようにと、体調に気を使い、最低限の睡眠時間は何とか確保するよう努力していました。週一回は休みを確保するよう努め、エアロビックスに通い、体力維持にも努めていました。それでも、睡眠時間を削りながら、食事をする以外のほとんど全ての時間を仕事にさかれ、一息する時間さえなく仕事に追われ、帰宅して、疲れ果て毎日ベッドに倒れこむような生活をしていました。上司に前倒しは無理だと訴えても無視され、少しでも遅れると、きつく叱られました。その状況が4ヶ月続き、体力精神力とも疲れ果て、私は精神科を受診し、抑うつ状態と診察されました。

 そして発症後、私は強引に新製品の開発責任者に変えられ、あまりの業務の負荷の高さに倒れしまい12連休で会社を休みました。その後、上司や、産業医の定期健診で体調不調を訴えましましたが、なんら職場の配慮がされること無く症状が悪化し、発症から4ヵ月後に私は休職に追い込まれました。私が休職した当時、半年間に同僚が2名自殺をしています。

 しかし、発症後の出来事は、労災審査とは関係ないと、業務が変わって以降の出来事は労災審査ではまったく検討されませんでした。体調が悪化しそれを会社に訴えたのに、会社が対応しないどころか、業務の負荷を高くし悪化したことが労災と関係ないのは絶対におかしい。これでは経営者は労働者を病気になるまで働かせて構わないといっているのと一緒です。

 休職から6年経った今でも、私は寝たきりの不自由な生活を送っています。社会復帰の目処も立ちません。最初に私が体調不調を訴えたときに会社が適切な対応をとってくれていれば、私の病気がこんなに長引くことも無かったし、私がこんなに苦しむことも無かったと思います。

 労災申請からすでに3年が経過しています。国は、労働者を守るために労災行政があることを再認識し、早期に、私の病気を労災と認定してください。そして、私のように、過重な労働により病気になり苦しむ人が、1人でも減るよう努力をしていただきたいと思います。
 
東京地方裁判所 民事第36部 御中
             2007年10月15日       原告 重光由美


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