東芝・過労うつ病労災・解雇裁判
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行政訴訟(労災不支給取消し訴訟)

平成19年(行ウ)第456号 療養保障給付不支給処分取消等請求事件

第4回弁論準備(非公開) 2008年7月15日 11:00〜


出席者  原告側 重光由美 川人弁護士 山下弁護士 島田弁護士   
       被告(国)側 代理人5名 

場所   東京地裁 民事36部

■書面提出 
・被告側 4月16日 準備書面(4)、乙94〜99号証提出 
 被告(国)は、準備書面(4)で、原告の準備書面(1)(2)への医学的な反論を書いていて提出。
主には、原告側から提出された「天笠意見書」(東芝との裁判で提出したものと同じ)に対する反論で、
 ・天笠医師が原告を診断するときに用いた手法:M.I.N.I.には問題がある
 ・客観的資料に基づいていない(原告側の資料のみで業務上と判断している)
といった内容で、こちらは東芝の主張とそっくりでした。

さらに、被告(国)は、(株)Mの産業医O医師の意見書(乙97号証)を提出してきました。O医師の意見書によると、原告のうつ病は、従来型のまじめ、几帳面であるとされる「メランコリー親和型」ではなく、仕事熱心でなくやる気のなさをうったえる新型うつ病「ディステミア親和型」と思われると書いてありました。

■全体
東芝との裁判が控訴審になり原告側の弁護士が4名体制となりましたが、行政訴訟も同じ弁護士体制で行く事になりました。今日は、島田浩樹弁護士が参加、私とは初顔合わせでした。

被告(国)から事前に提出されたO医師の意見書等の資料は非常に不快なものでしたが、裁判自体は事務的で、淡々と終わりました。

今後の協議について、
原告側からは証人尋問に進みたい、本人と、天笠医師を考えていると話があり、
被告側は、証人尋問についてはまだ考えていない、労働時間に関する書面の提出をまだしたいと、話がありました。(まだ書面を提出するのでしょうか、また引き延ばしでは・・・)

その後、原告被告双方から提出された労基署の労災調査資料を、主に乙号証にまとめる作業に時間がかかり、弁論準備は、結局60分程度かかり終了しました。

次回までに、今回被告から提出された準備書面(4)への反論を原告が提出する事になりました。
次回は9月25日(火)第5回弁論準備(非公開)です。


□原告感想

蒸し暑い一日でした。

なぜだか行政訴訟の国(厚生労働省)側の書面の内容は、驚くほど東芝の主張と似ていて、被告(国)の書面が出てくるたびに、まるで東芝と細かい打合せをしているのではないか、という印象を受けていますが、今回も例に漏れずそう感じました。
大企業と天下りお役所との癒着・・・か・・・など言うまでもありません。

平行して進んでいる東芝との裁判・控訴審で、東芝からの控訴理由書が、締切日から約1か月も遅れて、到着しました。なかなか読み進まない状態であった翌日の12日、なんともタイミング良く、今度は、今回提出された行政訴訟の被告(国)からの書面が到着しました。.(もっとも、行政訴訟の書類提出期限は7月10日だったから、東芝がその日にあわせて控訴理由書を送った可能性が高い、と考えるのが自然ですが)。連続して、2件の裁判で、私の主張が徹底否定された資料が提出されたわけで、これはさすがに堪えました。量がとにかく多いので、読むだけでも大変で気分は悪化。裁判直前の数日間は不安感に襲われ、ぐったりしていました。


そして今回特筆すべきは(株)Mの産業医O医師の意見書
O医師の意見書によると、原告のうつ病は、従来型のまじめ、几帳面であるとされる「メランコリー親和型ではなく、仕事熱心でなくやる気のなさをうったえる新型うつ病「ディスチミア親和型」と思われると主張していました。
しかし、労基署が行った14人の同僚の聴取書では、ほとんどの同僚は私の性格を「まじめ」と書いていました。しかも、被告(国)は準備書面(1)で「原告はまじめである、仕事は細かい」と書いてあるのであり、自らの主張さえも否定した、矛盾した内容の意見書です。
しかも、私が「ディスチミア親和型うつ病」だったとして、それと業務外の決定とどういう関係があるのかは、書かれておらず、結局、業務の負荷が強くないから「業務上でない」と結論付けただけ。O医師の意見書は何が言いたいのかわかりません。
天笠医師はチェックシート(m.i.ni.)を用い、私との面接を行った上で、「業務上である」という意見書を書いて頂きました。一度も面接したこともない医者から「仕事熱心でなくやる気の無いディスチミア親和型」と診察されるとは!

こんな意見書を裁判所に提出してくる医者がいるとは、驚きを通り越して呆れてしまいました。O医師は(株)M(財閥系大企業です)の産業医と言う事ですが、この会社のメンタヘルスは大丈夫なのか、心配になってしまいます。

さらには、多くの同僚の意見や、既に自らが提出した書面「原告はまじめである」との主張と相反する意見が書いてある医者の意見書を、裁判所に提出する被告(国)の主張の一貫性の無さにも呆れています。

精神疾患の労災では、
申請者が真面目で几帳面な性格(メランコリー親和型)で、うつ病になりやすい性格だとし、業務の負荷が高くても、個体側のストレス脆弱性(ストレス耐性)に問題があるとして不支給とする場合が多いようです。
私はそのメランコリー親和型に当てはまらないため、ディスチミア親和型と意見書に書いたのでは思われますが、それにしても内容がひどすぎる。この意見書をO医師に書いてもらうのに厚生労働省はどれだけの税金を使ったのか。いろいろな意味で、非常に不快なO医師の意見書です。
O医師の意見書全文はこちら(名前を公表できないのが残念です)

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