東芝・過労うつ病労災・解雇裁判
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裁判・控訴審

平成20年(ネ)第2954号 解雇無効確認等請求事件

控訴 2008年4月22日


 被告東芝は地裁判決日の4月22日に即日控訴しました
 原告側は、慰謝料などを不服として5月2日に控訴しました 

■書面提出 
被告 4月22日 控訴状提出
    4月22日 強制執行停止申立を行なう
       裁判所に2000万円収め原告の仮執行(賃金等の請求)を停止させる 
原告 5月2日  控訴状提出

原告 6月23日 控訴理由書提出 全37ぺージ
            甲199〜甲206号証提出(主に慰謝料に関する資料)
被告 7月10日頃 約1か月遅れで控訴理由書提出 全53ページ
             乙24号証提出(「長時間労働とストレス」に関する論文)


□原告感想
東芝は、判決日の4月22日に即日控訴・強制執行停止申立を行いました。

判決日に、全面勝訴だと弁護士には言われましたが、支払いを命じた額のほとんどは未払い賃金分で、真の慰謝料の額は200万円
弁護士曰く「日本の慰謝料は低いので、これで全面勝訴」だそうです・・・
人生を壊されたといっていいほどの苦痛を会社から受けながら、その対価がこの額ではあまりにも低いとしか思えず、慰謝料の額を不服とし、翌日こちらからも控訴することに決め、5月2日に控訴しました。
判決に対する控訴理由については「原告控訴理由書」をごらんください


そして24日に、裁判所から「強制執行停止決定書」が届きました。
以下、うつ病患者の裁判しながら日記より
http://shigemitsu.blog40.fc2.com/blog-entry-291.html#commentt
判決後自宅に戻って翌日、まだ涙が流れっぱなしだった午後3時ごろ、裁判所から「特別送達」が届きました。
開けてみると「強制執行停止決定」と書いた書類が入っていました。

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強 制 執 行 停 止 決 定 
申立人 株式会社東芝
代理人名6名の名前

被申立人 重光由美

申立人は当裁判所が平成20年4月22日言い渡した仮執行の宣言を付した判決に対し、控訴を提起し、同判決に基づく強制執行の停止を申し立てた。
 当裁判所は、同申立を理由があるものと認め、申立人に被申立人重光由美のために金2000万円の担保を立てさせて、次のとおり決定する。

           主      文
 上記債務名義に基づく強制執行は、本案控訴事件の判決があるまでこれを停止する。
         平成20年4月22日
           東京地方裁判所民事第11部
              裁判官 鈴 木 拓 児  
                      
−−−−−−−−−−−−−−−−−−

金2000万円の担保を立てさせて、次のとおり決定する?主文?
これはなに??しかも私側の弁護士の名前が書いてないし?

疲れて精神的にも落ち着いてなかったときに届いた裁判所からの意味不明の書類。
すぐに弁護士に電話をしたのですが、あいにく終日外出とのこと。

流れっぱなしだった涙はその後夜には止まりましたが、疲れがひどく、結局その日も睡眠は不安定なまま過ごし、そして翌日弁護士から説明の電話がかかってきました。

弁護士の説明によると
勝訴した判決文には仮執行宣言が付いており、主文のうち、毎月の賃金の支払いと、慰謝料の支払いについては仮執行することができる、つまり控訴されたが、裁判所に仮執行の申請をすれば毎月の賃金と慰謝料の請求を被告会社に出来る。
しかし被告東芝がそれをさせないため、金2000万円を裁判所に担保を収め、原告が仮執行が出来ないための手続き「強制執行停止申立」をしたということでした。

あ、そう・・・ですか・・・

勝訴したとして、仮執行して賃金請求するなんて頭になかったのですが・・・

弁護士からは、仮執行について、小さな会社だと倒産の可能性があるから仮執行したりもするが、東芝は倒産する事はないから仮執行しなくてもいいのでは。仮執行を行なった場合、控訴審で負ければ返さなくてはならないし。と言われていました。
まさか東芝が仮執行の強制執行停止申立をしてくるとは予想していませんでした。

東芝の即日控訴と即日「強制執行停止申立」
巨大企業であり資本もたくさん持っている東芝が、病気で働けない収入の無い社員との裁判で敗訴後即日控訴をし、さらに即日2000万円を裁判所に収め、仮執行をさせないようにする・・・
正直、なんか、セコイなあ・・・と思ってしまいました。

それだけ東芝は徹底抗戦するぞ、これからも長引かせるぞという意思の表れなのでしょうね。
なりふり構わずな態度にいい加減げんなりでした・・・

それでも、疲れきって、不安定になりやすかった私の不安感は増大してしまいました。
「相変わらず徹底抗戦の東芝、控訴審でも何をしてくるか分からない。
もしかして負けるかも・・・」という不安感にも襲われました。


そして、東芝からの控訴理由書到着は締め切りから1か月も遅れて提出されました。
http://shigemitsu.blog40.fc2.com/blog-entry-292.html
東芝からの控訴理由書が、7月10日金曜日に、締切日(控訴から50日:6月11日)から約1か月も遅れて、到着しました。
全ページ数53ぺージ。判決文本文が62ページだったから、それに匹敵するくらいのページですね。
内容は、原告側の主張を徹底否定したこれまでと同じ様に、判決を徹底否定する内容でした。

「一審原告の供述(陳述)内容には単なる記憶違いではない明らかな虚構が多く存するのであって、それをそのまま認める原判決の認定は誤りであると言わざるを得ない。」
とか
「一審原告の虚構のままの認定を行なっている原判決の事実誤認は明白である」
とか

新たな嘘も加わり、とにかく判決内容を徹底的に否定していました。
こちらが証明できなければ会社は裁判で嘘をつき放題、証言してくれる同僚もいない・・・
これまでも経験したことですが、また同じことの繰り返しか、と言う感じでした。

まだまだ先は長そうです。

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