東芝・過労うつ病労災・解雇裁判
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裁判・控訴審

平成20年(ネ)第2954号 解雇無効確認等請求事件

第17回弁論準備 2010年9月17(金) 11:00〜

出席者  原告側 重光由美 川人弁護士、山下弁護士、小川弁護士 島田弁護士
       被告側 指定代理人2名 東芝深谷工場総務1名 本社1名
場所   東京高裁第11民事部
裁判官  佐々木 宗啓 判事 

■書面提出
○原告 8月23日に準備書面(5)提出
原告側は、前回提出された被告準備書面(4)の反論として、準備書面(5)を提出

○被告東芝 8月30日に準備書面(6)提出
被告側は、前回提出された原告準備書面(4)の反論として、準備書面(6)を提出    

○被告東芝 9月16日(裁判の前日)に準備書面(7)提出
被告側は、原告が8月23日に提出した原告準備書面(5)の反論として準備書面(7)を提出 
 
○被告東芝 9月16日(裁判の前日)に乙43号証、乙44号証で、
(株)M産業医O医師意見書、
(株)東芝 人事・業務サポートセンター産業医I医師O医師意見書を提出

東芝は、書面の締め切りである8月30日を大きく過ぎた、裁判日前日の9月16日に、東芝の産業医及び(株)M産業医O医師の意見書を提出し、原告の業務起因性を否定してきました。

 
■全体
裁判官が、原告被告双方の書面の確認を行うと言う形で、15分程度で終了しました。
東芝が、裁判日前日に3名の医者の意見書を提出してきたため、原告側が反論書面を提出することになりました。次回を最終弁論期日(結審)とするため、書面の締め切りが9月15日となりました。
次回は、いよいよ最終弁論期日(結審)、公開裁判となり、
日程が11月24日(水)15:30〜、場所825号法廷と決まりました。


□原告感想
東芝は、書面の締め切り8月30日を大幅にすぎた、裁判日前日の9月16日に、東芝産業医意見書・(株)M産業医O医師意見書を提出してきました。前回の弁論でも、締め切りを過ぎた、裁判の前日に上司F課長の陳述書を提出してきました。これは、私の体調悪化を狙ったのではないでしょうか?相変わらずの東芝の対応です。

今回提出された3名の医者の意見書ですが、
(株)M産業医O医師
は、既に勝訴確定した「国との労災不支給取り消し訴訟(行政訴訟)」で国側から、「原告の病気は業務起因ではない」という意見書を書いた医者です。
そのときの意見書はこちら→行政訴訟O医師意見書
ネットによると、こういう医師の意見書は、一通200万くらいするのだとか。こういう医者も世の中に入るのだなあと思いましたが、東芝が控訴審でわざわざO医師に意見書を書いてもらうとは。200万は一審判決での私の慰謝料の額と同じです。私に支払う額より、東芝が裁判の弁護士費用や裁判にかけてるお金の方がずっと大きいと思うのですが、それでも東芝は裁判を続けるようです。

(株)東芝 人事・業務サポートセンター産業医I医師O医師意見書ですが
意見書の内容自体は、たいしたことは書かれて無いのですが、まとめると下記の3点となるでしょうか
@原告の病気は9年経っても回復していないことから業務起因ではない
A原告のうつ病の診断に問題点がある
B原告が、神経科に通っていることを、長時間残業者検診(月一回程度実施)で産業医に告げて入れば産業医は適切な対応をしていたはず、精神疾患は専門医であっても見抜くことは至難の技であり、精神不調に気づかなかった産業医を責めることはできない

以下に私の意見を書かせてもらうと
@業務上の精神疾患が長期化している事例は多数あり、労災認定されてる事例も多いはず
A私が解雇される前にその診断法で診察していただきたかった
B私は産業医に精神化に通っていることを告げていたし、当時の産業医のカルテにもうつ病のチェックシートを使って診察をしたことが記載されていますが、カルテは読まれたのでしょうか?「精神疾患は専門医であっても見抜くことは至難の業」との意見ですが、そうであれば、メンタルヘルス対策として、職場全てに精神科医の産業医を配置しなくてはならないのでは。東芝では、今後メンタルヘルス対策として、全ての事業所に精神科医の産業医を配置するのでしょうか?
そして、東芝は、労災が発生するような職場状態でメンタル不調を訴えている社員に対し、今後も「特に問題なし」として何の対応もせず、そのまま働かせるということでしょうか。
意見書冒頭では、東芝のメンタルヘルスは高い水準であると書いてありました。精神疾患の労災発生という事実を無視し、問題は無かったとする現状が、高いメンタルヘルス水準なのでしょうか。ただ驚くばかりです。

東芝の産業医I医師とO医師連名のの意見書はこちら→産業医意見書

一審の段階では、東芝の産業医からは何の意見書も提出されませんでした。
上司や同僚の偽の証言が複数提出され、労災が不支給となっていた状態の地裁時に意見書を提出しなかったのに、労災に認定され、業務上であることが覆ることがなくなった今、なぜ、「業務上ではない」と言う意見書が東芝の産業医から提出されるのでしょう。

それでも次回は結審(最終弁論期日)です。裁判生活が長いせいで、これまでの地裁で感じていた、ようやく判決が見えてきた、といった達成感も感じず、なんとも淡々とした気分です。
本当にしつこい東芝の対応にも、東芝の産業医の意見書にも、うんざり感や残念感が強く、裁判後疲れがとれず、一週間くらい寝込んでしまいました。


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