東芝・過労うつ病労災・解雇裁判
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裁判・控訴審

平成20年(ネ)第2954号 解雇無効確認等請求事件


第15回弁論準備 2010年5月20日(木) 10:30〜

出席者  原告側 重光由美 川人弁護士、山下弁護士、小川弁護士 島田弁護士
       被告側 指定代理人2名 東芝深谷工場総務2名 本社1名
場所   東京高裁第11民事部
裁判官  佐々木 宗啓 判事 

■書面提出
5月10日に原告被告双方から書面が提出されました


左が原告側提出分、右が東芝側提出分です。東芝側の書面がすごく多い!のがわかると思います。

○東芝 準備書面(3)
      乙29〜40号証
    (3名の元上司と同僚、1名の深谷工場勤労担当の陳述書及び業務資料等)
○原告 準備書面(3)
      乙210〜232号証(原告の陳述書等)
      請求の趣旨の拡張申立書*
      (判決後も原告への賃金の支払いを求めるという内容の書面) 

東芝側は、私の病気の発症原因が業務上ではないところから争うようです。

元上司同僚3名、勤労担当1名の陳述書が新たに作成され、提出されていました
業務上ではないし、会社側に過失もないし、原告は上司に体調不調は訴えてないし、仮に業務上だったとしても働けないから賃金を払う必要はないし、査定は最低になるから支払うにしてももっと低くなる等々、とにかく徹底否定の内容です。

○東芝 5月20日 請求書の主旨の拡張申立書への答弁書提出
  原告が5月10日に提出した「請求の趣旨の拡張申立書*」への反論を10日後に提出してきました。なんとも早い・・・もちろん判決後の賃金の支払いを否定する内容です

■全体
前回の弁論準備で、東芝が和解を蹴る形で和解決裂となった後、初の弁論準備となりました。
裁判官が、前の週に提出された書面の内容に対し、不明点などを質問すると言う形で弁論は進みました。

東芝は
「国の労災認定には残念ながら異議申し立ては出来ませんが、東芝は労災とは認めていませんので」と強弁

さらには
「民法第536条2項より、たとえ労災となり不当解雇となっても働く意思と能力がなければ賃金は支払いません」
と書面に書いてあることですが、再び強弁
(東芝は、解雇無効になっても、働けば賃金を支払うが、働く能力が無い人には賃金を支払わないと言う主張をしています)

そして裁判官からの「業務の部分に関しては、お互い、もう反論は無いでしょ」という発言に東芝は
「いえ、業務内容についても反論書面を提出いたします」

と、とにかく徹底抗戦の姿勢を示していました。

書面の作成に時間がほしいと言うことで、書面の締め切りが7月12日、次回の弁論準備期日(非公開)が7月29日となりました。



□原告感想
 東芝からは、当時の上司や同僚3名、深谷工場勤労担当1名の陳述書が新たに作成され、当時の資料などと一緒に提出され、徹底否定の書面が提出されました。
正直、ここまで徹底抗戦するのか、と言うのが今の感想です

和解協議では復帰場所も決まり、「過失責任や謝罪」をどうするかと言った話し合いをしていたのですが・・・
2年も続いた和解協議はいったい何だったんだろう

既に労災に認定されているわけだから、会社が「労災が起きてしまったことを反省し、このようなことが起きないよう今後職場の改善を行います」
とコメントすればいいだけだと思うし、それが本来の会社のあり方だと思うのですが・・・
手間暇かけて裁判を長引かせて続け、無駄に書面を作成して労力を使うほうがずっと会社にとってマイナスだと思うのですが・・・

社員なんて取るに足らない存在の人間だから、少しでも逆らう社員は許さないし徹底的に戦う、ということなのでしょうか。
しかしこれは予算の無駄遣いでは・・・

国が労災認定しなくても、怪しい場合は会社が自ら労災認定にするのが大企業、
東芝もそういう会社だと会社にいるときは思っていたのですが、まさか国の労災認定を否定する行動を取るとは
東芝の上部の考えていることはさっぱりわからない。

とにかく徹底抗戦なのだということはよくわかりました。

終了後、今回久しぶりに来ていただいた支援者の方々と今後について打ち合わせをし、帰途に着きました。

翌日の疲れはそれほどでもないと思ったのですが、その次の日の不安感、気分の落ち込みがすごい。
数日何もする気になれず、ようやくブログが書ける状態まで回復してきました。

次回、東芝がまた無駄に反論している書面を見てうんざりしそうです・・・


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