東芝・過労うつ病労災・解雇裁判
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裁判・上告審

平成23年(受)第1259号 

最高裁 判決 2014年3月24日(月) 16:00~

 
出席者  原告側 川人弁護士 山下弁護士 島田弁護士   
       被告側  指定代理人2名 
場所   最高裁第2小法廷   傍聴席29人(+マスコミ8人、東芝社員2名)

■全体
一般傍聴人は、29人でしたが、マスコミ席(別途設けられている)には8人の記者が現れました。

最高裁第2小法廷
左側 原告側席  右側 被告(東芝)側席



裁判長裁判官  鬼丸かおる (右から2人目)
     裁判官  千葉勝美
     裁判官  小貫芳信
     裁判官  山本庸光

16:00に裁判官4名が入廷、
裁判長が、主文を言い渡し、退出し、裁判はあっという間に終わりました。

主文
1 原判決中、損害賠償請求及び見舞金支払請求に関する上告人敗訴部分を破棄し、同部分につき、本件を東京同等裁判所に差し戻す。
2 上告人のその余の上告を棄却する
3 前項に関する上告費用は上告人の負担とする。

東京高裁へ差し戻す、予想通りの主文だなあ、と思いながら、法廷を後にしました。


■原告記者会見コメント
 本日、最高裁において、私の過失を安易に認めた高裁判決を否定し、会社側の過失を全面的に認めた判決が出たことを大変うれしく思います。
 「うつ病は心のかぜ、気軽に精神科を受診しましょう」と言われているのに、一回程度の精神科の受診歴があることを持って、私の過失やうつ病のなり易さとした、高裁の裁判官には、社会問題への認識不足を感じます。
 うつ病は誰もがなる病気ですし、適切な対応でよくなります。今日の判決で、社会のメンタルヘルスが向上することを期待します。
 裁判開始からは10年という大変長い時間が経っています。東芝は、「メンタルヘルス対策をしています」と公言している会社なのですから、差し戻し審では、誠意のある対応をしていただきたいと思います

 原告 重光由美

■弁護団記者会見コメント
1 本日の判決は、安易に過失相殺・素因減因を適用した原判決の誤りを正したもので、働くもののいのちと健康を守り、療養中の労働者の権利を守り発展させるうえで極めて重要な意義を有する。
 14年前の電通事件最高裁判決(2000.3.24)でも東京高裁の過失相殺の誤りを正したが、本日の判決は、同電通事件判の精神と論理を受けついたものと言える。近時、下級審の中で安易な過失相殺を行う判決が生まれているが、本日の判決は、この傾向に歯止めをかけるものとなる。
2 本日の判決は、損益相殺論でも、原判決の誤りを直し、原告の正当な権利を守る内容である。
3 本日の判決全体を通じて、会社が原告に過重労働を課したことを最も重視し、この視点から損害賠償論を述べており、このことは被害者の救済とともに、職場での労災予防のためにも重要な意義を有する
4 会社は、本日の判決を受け止め、同判決に沿って、原告の健康と被害回復のため必要なすべての義務を履行しなければならない。


■当日の様子


15:10から最高裁南門で傍聴券の配布開始
傍聴列の最後尾には、書記官が「整理券配布 最後尾はこちらです」というプラカードを持って立ちます。



15時20分から最高裁の中へ。
16:00に裁判官4名が入廷、裁判長が、主文を言い渡し、裁判はあっという間に終わりました。
裁判終了後、最高裁判所南口で、傍聴に来て頂いた皆さんに、原告、弁護士より簡単にあいさつ。


その後、慌ただしくタクシーで、東京地裁へ移動し、東京地裁の司法記者クラブで記者会見の準備。
東京地裁の弁護士控室で、弁護士より判決文全文をもらいました。
部分的な上告受理、会ったこともない裁判官等々、上告が受理されても、すっきりとはできない気持ちで迎えた最高裁判決でしたが、
渡された、全14ページの最高裁判決文では、当時の私の業務の過酷さに多く触れ、また、控訴審判決文では否定された、私が体調不調を訴えながらも働かされた事なども、きちんと認められて書かれており、
予想をはるかに超えて素晴らしい判決内容で、判決文を読みながら、
「私の訴えたてきたことが、わかってもらえた、発症当時のつらさがわかってもらえた・・・」、
という思いから、涙が出そうになりました。
実際、判決文を読みながらハンカチで目頭を押さえる事度々。


しかし慌ただしく、記者会見で読むコメントも書き、記者会見に備えました。
17:30から記者会見の様子です。


18:00からは、東京地裁の隣の弁護士会館で報告集会。
弁護士4名と一緒に遅れて18:15に弁護士会館に到着。
小さな部屋しか予約ができず、全員は座れなかったためか、質問も少なく、短めに終了。私は途中から座らせてもらいました。


18:45からは、隣の日比谷公園内のレストランで、支援者の方が企画してくれた、祝賀会兼懇親会。
「画期的」「すごい!」とお祝いムードの中、楽しく飲食をし、最高裁判決日は終わりました。
祝賀会兼懇親会であいさつをする私




以上、原告ブログ「うつ病患者の裁判しながら日記 3月24日最高裁判決日より
http://shigemitsu.blog40.fc2.com/blog-entry-820.html






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