東芝・過労うつ病労災・解雇裁判
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裁判・控訴審

平成20年(ネ)第2954号 解雇無効確認等請求事件


第3回弁論準備(兼第5回和解協議)
 2008年11月26日(月) 16:00〜

出席者  原告側 重光由美 川人弁護士、山下弁護士、小川弁護士
       被告側 指定代理人2名 東芝深谷工場総務2名 本社2名
場所   東京高裁第11民事部
裁判官  設楽 隆一 判事 

■書面提出 
○被告側 11月10日 文書送付嘱託で、並行して行われている行政訴訟(労災負支給取り消し訴訟)で国から提出されたN医師の意見書の提出を要求
(行政訴訟で、被告国が裁判所に提出して1か月もせず、なぜか東芝はこの意見書の存在を知っていました。お役所と大企業の癒着か、など言うまでも無く・・・)

■全体
東芝側は、代理人2名、深谷工場総務部長・課長、本社総務の5人体制に加え、今日は1名増え、6名体制になっていました。(一審は3名体制でした)

最初に裁判官と45分程度東芝が打ち合わせ、その後、原告側と裁判官が打ち合わせ

和解協議では東芝とは直接ではなく、裁判官と個別に話し合いを行なっているため、裁判官から聞いた話しとなりますが、
要は、結局、東芝側としては、業務上であったとしても賃金は労災から支払われるべきで、行政が労災不支給としているのだからそれに従う、つまり、東芝は業務上と認めない支払いはしないとのこと。

事実上和解は決裂状態、加えて行政訴訟(労災不支給取消し訴訟)の判決が出る来年の5月(予定)までは、高裁の審議は事実上ストップ状態、ということになりました。

次回期日は2月13日と決まりはしましたが、実上審議はストップ状態に


□原告感想
最初に裁判官から東芝の主張を聞いたときは唖然、
東芝が業務上と認めなければ和解はありえないと、原告側は最初から主張していたのに、これまでの和解協議や和解ベースで進む方向になった弁論はいったいなんだったのか、これでは堂々巡りではないか!

和解当初は、東芝が業務上と認めて和解に応じるとはとても思えず、決裂するだろうという予想でしたが、意外にも東芝は和解に乗ってきたようで、予定の3回の和解協議以降も、和解ベースで弁論を続けて行く、となり、さらに前回には、和解に向けて前進する雰囲気もあったのですが、一転、和解5回目で結局この東芝側の態度。

裁判官の話を聞きながら、怒りがこみ上げてきました

だったら和解決裂だ、すぐに判決のための審議へ!と裁判素人の私は思ったのですが、平行して進んで知る行政訴訟の証人尋問の日程も決まり、このままだと5月には労災裁判の判決が出るから、時期的にそちらの結果が出るのを待ったほうが良いということになりました。

高裁では和解が決裂した場合、控訴から1年以内には判決、の予定だったんですけどね・・・
これは、東芝側が和解に応じる態度をとりつつ、結局、引き伸ばしをかはった、ということですよね・・・
和解協議後しばらく、というより当日ずっと気分がむかむかして収まらず、結局眠れず翌朝までその状態は続きました。

和解協議なので、東芝と裁判官の話し合いは聞く事ができませんが、東芝は和解協議の話し合いでも、あの手この手で裁判の引き伸ばしなどを図っているんでしょうね、きっと・・・


うつ病患者の裁判しながら日記 和解は決裂のよう・・・2008.11.28より抜粋
http://shigemitsu.blog40.fc2.com/blog-entry-325.html




第4回弁論準備(和解6) 2009年2月13日(金) 13:30〜

出席者  原告側 重光由美 川人弁護士、山下弁護士 小川弁護士 島田弁護士
       被告側 指定代理人2名 東芝深谷工場総務2名 本社2名
場所   東京高裁第11民事部
裁判官  設楽 隆一 判事 

■書面提出 
○被告 準備書面(2)及び乙27号証:N教授意見書 乙28号証:「重光由美氏の年収試算表」提出
被告は、準備書面(2)で、労災が不支給となっているから業務上とは認められない
仮に労災と認定されたとしても、原告は就労の意思も能力も欠いているので賃金を支払う必要はない、例え支払うにしても、安全配慮義務に基づき時間外労働をさせる事ができないしボーナスも「要努力」の評価になるから、支払う年収はもっと低くなるはずと主張
 N教授の意見書(乙27号証)で60時間以上の残業が精神疾患の原因となることは無いと主張(地裁判決文に「残業60時間以上は精神疾患発症の原因になる」と書いてあることへの反論にあたる)

○原告 甲207(天笠医師の意見書)、甲208提出
 被告が提出した乙27号証:N教授意見書に対する反論を提出(行政訴訟で提出した書面と同じもの)

○被告 「職場復帰に関する産業医の見解」(日付、作成者名無し)提出
 「メンタル疾患による休業から復帰させる場合は、休業前に従事していた職場に復帰させることが大原則であり、復帰と同時に他業務に従事させること、また、引越しを伴う転勤をさせることは、病気再発の可能性を増大させるため、得策ではない。」
と書いてある書面提出


■全体
30分程度で終了しました
前回の弁論準備(和解交渉)で、5月の行政訴訟の判決結果を待って審議することになったため、特に大きな進展はありませんでした。

 和解交渉当初から裁判所より提案のあった、原告の職場の復帰場所については、原告側が「元の職場(深谷工場以外)」と主張しているのに対し、会社側は「元の職場」と言って全く譲りませんでした。
 私の主治医が「うつ病人が会社復帰時に、転勤を伴う新しい勤務地に復帰することはよくあることで、多くの企業で行われている」と言っていると告げたところ、今回、会社は「職場復帰に関する産業医の見解」を提出し、「引越しを伴う転勤をさせることは、病気再発の可能性を増大させるため、得策ではない。」との意見書を提出。
 復帰場所の話し合いについても平行線となりました。


□原告感想
就労の能力を欠かせた原因は会社にあるのに、病気になって働けないからボーナスの査定が「要努力」となるという東芝の主張は、明らかにおかしいです。会社が私を病気にさせなければ、今でも普通に働けていたはずだから、査定も「要努力」とはならなかったはずで、このような事を会社から主張されることは納得が出来ません。
これが「メンタルヘルス対策をしている」と自らのホームページに載せている会社の対応とはとても思えません。

そして東芝側は、労災が不支給になっているとして協議には全く応じない対応なので、
もうすぐ2月23日に結審、判決を迎える行政訴訟(労災)不支給取消し訴訟の判決を待ってから次回の弁論準備を行う事になりました。
裁判が長引きますが、2つの裁判が平行して行われるのは正直きついので、片方(行政訴訟)に集中できる事は逆にありがたいことかもしれません。

とにもかくにも間近にせまった行政訴訟を勝たなければ。

うつ病患者の裁判しながら日記 控訴審弁論準備4 2009.02.19より抜粋
http://shigemitsu.blog40.fc2.com/blog-entry-346.html



2009年5月18日 行政訴訟勝訴しました!

  判決概要はこちら






第5回弁論準備(和解7) 2009年5月29日(金) 15:00〜

出席者  原告側 重光由美 川人弁護士、山下弁護士、小川弁護士
       被告側 指定代理人2名 東芝総務5名
場所   東京高裁第11民事部
裁判官  設楽 隆一 判事 

■全体
5月18日の行政訴訟の結果(原告勝訴)を受けて行われました。
東芝側からは
まだ控訴期間中で判決が確定していないし
労災保険が出ないと
過失については意見がある
検討に時間がかかるから次回は9月以降にして欲しい

と言った内容でした。
9月にしたいというのは、行政訴訟が確定し、労災保険が出たとして、8月頃だから、その労災保険の金額を確認したいとの事。
もっと早く日程は入れられないかと原告側からの提案に、
「東芝はご存知のように現在大赤字で大変な状況で、労災保険の金額を確認ませんと先に進めません」とかなんとか・・・はあ?・・・

そのため、次回裁判が3か月後の9月4日(金)13:30〜となりました

□原告感想
行政訴訟の判決疲れが取れず、3日前に軽い風邪を引いたりして、前日は胃痛発生、かなり疲れた状態での外出でした。

しかし、労災保険の金額を確認しないと先に進めないとは!大企業東芝が、病気にした、たった一人の社員の給料の保証も出来ないほど金銭的に困っているんですか?しかも給料の8割は労災保険から出るのに・・・
そもそも、労災を強引に不支給にしたり、裁判担当者を増やしたり、控訴し、だらだらといつまでも裁判を続けて裁判に掛けている費用の方が、私に支払う額よりずっと大きいのではないですか?

不快な東芝の対応でしたが、私の心は行政訴訟で国が控訴するかどうか、そちらの方に気が取られていました。

うつ病患者の裁判しながら日記 東芝との控訴審弁論準備2009.06.02より

http://shigemitsu.blog40.fc2.com/blog-entry-380.html


 
2009年6月2日 行政訴訟判決確定しました

  裁判のあった時点では控訴はされていませんでしたが、6月2日、国(厚生労働省)が控訴しなかったため、行政訴訟の勝訴が確定したことがわかりました。
国に労災に認定されました\(^o^)/



第6回弁論準備(和解8) 2009年9月4日(金) 14:30〜

出席者  原告側 重光由美 川人弁護士 山下弁護士 小川弁護士 島田弁護士
       被告側 指定代理人2名 東芝総務3名
場所   東京高裁第11民事部
裁判官  貝阿彌 誠 判事 

■全体
裁判官が、貝阿彌 誠判事に交代になりました。
行政訴訟での勝訴(労災認定)、判決確定を受けての和解協議となりました

東芝側から、まずは原告の復帰場所について話し合いたいという申し出があり、過失や慰謝料等には触れないまま、原告の復帰場所について話し合いが行われました。

復帰場所については、これまでの和解協議でも話が出てきていたのですが、
原告は「現在籍のある深谷工場は、病気の原因となった場所であり、症状から元の職場への復帰は非常に困難であるので、深谷工場以外に復帰したい」
と要望していたのに対し、
東芝側は、「深谷工場に復帰をさせたい」と、原告側の要望をガンとして聞き入れない対応を取っていました。

東芝は、第4回弁論準備で、産業医の見解「勤務変更や転勤を伴う復帰は得策ではない」という書面まで提出して、元の職場復帰以外は認められないと主張していました。

今回、東芝は、復帰場所として自ら別の勤務地を提案してきました。
これまでの、頑なに勤務地変更を拒んできた態度が嘘のような対応です。今後の和解協議に向けて、大きな前進といえるのではないでしょうか。

しかし、今回は、東芝は、子会社転籍での復帰を提案してきました。
原告側は、あくまで東芝本体で責任を持って復帰させて欲しいと要望したため、東芝が検討のために1か月程度時間がかかるとして
次回の弁論準備は10月6日(火)16:00〜(非公開)となりました。

□原告感想
労災に認定された事で、職場復帰場所が変更になると言う、大きな前進はありました。

それにしても、産業医の見解までだして、原告の新しい職場での復職を一年も拒んだのは一体なんだったんでしょうーー
自ら提出した産業医の「休業前に従事していた職場に復帰させる事が大原則」とか「引越しを伴う転勤は病気再発の可能性を増大させるため得策ではない」と言う見解は、急に無視するんですかーー

メンタルヘルスの職場復帰について一貫してないんですけどーー
変なのーー

元の職場にだけは戻れないといっているのに、元の職場に戻したいと言われ続けることは嫌がらせとしか感じられないと思っていましたが
まあ、裁判での会社の対応とはこういうものなのかもしれませんね

うつ病患者の裁判しながら日記 東芝との控訴審弁論準備2009.09.09より
http://shigemitsu.blog40.fc2.com/blog-entry-413.html




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